昭和47年の沖縄返還をめぐり、日米両政府が交わした「密約」文書の開示を元毎日新聞記者、西山太吉氏らが求めた訴訟で、東京地裁は原告側の主張を全面的に認め、国に文書開示を命じた。 西山氏らが開示を求めたのは、米軍用地の原状回復費400万ドルを日本が肩代わりするとした文書だ。米国では、これに相当する文書が見つかっているが、外務省はこれまで文書の存在を否定し続けてきた。 判決は「文書調査を尽くさず、漫然と不存在と判断した」「国民の知る権利をないがしろにし、不誠実だ」と厳しく指摘した。 国の機密に関する文書の扱いは知る権利だけでなく、国益の問題も絡む。地裁判断はやや一面的で感情的表現もある。しかし、文書の保管方法や外務省の調査が十分だったかは検証が必要だろう。 沖縄返還時の原状回復費の肩代わりをめぐっては、先月発表された密約問題に関する有識者委員会の報告書で、「明確に文書化されていないが、日本側もこ