(※)本記事は、映画『花束みたいな恋をした』、ドラマ『それでも、生きてゆく』のストーリーの核心に触れる部分を含みます。 「ちゃんと楽しく生きたいよ」 1月29日に公開された映画『花束みたいな恋をした』が、ヒットを続けている。興行収入は30億円を突破し、様々な世代の人々がこの作品について熱心に語っている状況だ。テレビドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『カルテット』などで知られる坂元裕二が、2007年の『西遊記』以来久々に脚本を手がけた映画作品として注目を集めていた本作だが、従来の彼のファンにとどまらず、幅広い層にその魅力が届いていると言えるだろう。 ではこの映画のいったいどんな部分が、こんなに多くの人々を惹きつけているのだろうか。作品内で羅列されるサブカルチャー群について、ついつい語りたくなってしまうから? 恋愛における「あるある」的描写のリアリティに参ってしまうから? 学