菅義偉首相の寵愛を受けて出世街道をばく進してきた総務省の谷脇康彦氏(60)が3月8日、利害関係のあるNTTや東北新社からの違法接待を受けていたとして、省内ナンバー2である総務審議官の職を追われた。 次期事務次官間違いなしとされた谷脇氏の転落で、菅首相肝いりの携帯電話料金引き下げなどへの悪影響も避けられない。通信放送行政における改革派を失った総務省の地盤沈下にもつながりかねず、「谷脇氏退場なら国家的損失」(関係者)との声も出ている。 1人6万円超の飲食接待も 菅首相自身にとっても懐刀を失ったのは手痛い打撃で、「天領」とされる総務省への影響力も低下しかねない。しかも、違法接待に首相の長男が絡んでいたことで、「罪作りの原因は菅首相」(立憲民主党)などの批判が噴出しており、菅首相の政治責任も厳しく問われる。 谷脇氏の事実上の更迭処分が発表されたのは、参院予算委員会集中審議の直前の8日朝のことだった