ウクライナ戦争をきっかけに、日本の安全保障政策に対する世論の関心が高まっている。6月22日に公示された参院選でも主要な争点の1つとなり、岸田文雄首相は「防衛力の抜本的強化」を前面に押し出している。北大西洋条約機構(NATO)諸国並みの対GNP比2%の防衛費(21年度は同1.24%)を目指すとすれば、その適切な使い道はどうすべきか、前自衛隊統合幕僚長の河野克俊氏に聞いた。 河野 克俊 KAWANO Katsutoshi 1954年、北海道生まれ。防衛大学卒業後、海上自衛隊入隊。米海軍大学に留学し、卒業論文で最優秀賞受賞。海上幕僚監部防衛部長、自衛艦隊司令官、海上幕僚長を歴任し、2014年に第5代統合幕僚長。3度の定年延長を重ね、在任は異例の4年半にわたり、19年4月に退官。 継戦能力費と研究開発費 ―もし防衛費が大幅に増額されるとすれば、どんな分野を強化、補てんすべきですか。 2022年度の