今号の「文藝春秋」には、受賞作『アサッテの人』全文とともに、芥川賞の選評も掲載されています。 以下、恒例の抄録です(各選考委員の敬称は略させていただきます)。 小川洋子 「私が最も心惹かれたのは、言語の問題が、他人や社会との関わり合いの難しさを描く方向へ向かっていない点だった」 川上弘美 「初めて臨んだ芥川賞の候補作6作は、いずれも私にとっては読みごたえがあるものだった。みんな面白かったです。まる。そう言っておしまいにしたいのだけれど、そうはゆかない、そこで仕方なく嫌なヒトになって、あらさがしをこころみた」 池澤夏樹 「諏訪哲史さんの『アサッテの人』がおもしろかった。これは哲学的な英雄譚である。主人公は世界に対して言うなれば斜めに立っている。彼はそれが吃音のせいだと思っていたけれど、吃音が治ってから外界への違和感は却って強くなった。苦悩を負って生きる姿勢において彼は英雄である。しかし、周囲
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