(0)注意 サブタイトルにあるように、本文章は『AIR』(Windows98以降)のレビューである。 前回、『Miracles do not come true.……』で、同社が出したゲームソフト『Kanon』に対し、かなり辛辣な批判文を書いてしまったため、その続編である『AIR』や、以前に製作された『ONE』『MOON』のレビューを書くべきかどうか、つい悩んでしまっていた。 しかし、Keyという会社の出すソフトに、賛否両論を含めた活発な論議を行わせるだけのパワーが秘められていることは確かであり、また、一連のソフトのプレーが、私の創作活動の指針・方針を再検討させる契機になっていることも確かである。『Kanon』の場合、文芸における写実主義と幻想主義の対立について考えさせられる契機になった。歴史解説書やテクノスリラーの文法で小説を書いている私の場合、どうしても写実主義のほうに軸足を置いてしま