TeX Live 2014 では,\inhibitglue に関する仕様の変更が取り込まれました。 pTeX 系列のエンジン(pTeX/e-pTeX/upTeX/e-upTeX)の全てに影響します。 これは,既存ソースの組版結果が変わる重大な変更ですので,今回の変更に至る過去の経緯,および新仕様の取り扱い上の注意点について述べておこうと思います。 背景 - pTeX のバグ ASCIIのpTeXの仕様書には,次のように書かれています。 \inhibitglue 和文フォントのメトリック情報から、自動的に挿入されるグルーの挿入を禁止します。 このプリミティブを挿入した箇所にのみ有効です。 このように,\inhibitglue は「挿入した箇所のみに有効」と明記されています。 しかし,(TeX Live 2013 以前では)実際にはそうではなく,「次に初めて和文文字が現れた箇所で有効」という挙