これまで世界的には、「地中海式ダイエット」と呼ばれる食事パターン(表参照)が認知症リスクを下げる(生活習慣病全般のリスクが下がります)と報告されてきました。ただし、ご覧いただくと分かるように、日本人などアジア人が日々の生活の中で真似をするには無理があります。 そこへ今回、日本人の食事データに基づいた解析結果が出てきました。九州大学のグループが、福岡県糟屋郡久山町で1006人の高齢者を15年程度追跡した疫学調査(コラム参照)に基づいて『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』という雑誌に論文を投稿、5月号に掲載されたものです(抄訳はこちら)。 複雑な解析を思い切り簡単に説明すると、①認知症リスクに関連あり(上げたり下げたり)との研究結果がある飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウムの7種類の栄養素について、その摂取量と
