一般国道36号札幌・千歳間道路(以下:弾丸道路)は昭和28年11月2日に完成した。この道路の予算は日米行政協定に基づく安全保障諸費という、戦後日本が米国の影響を受けている時代に作られた道路であり、当時の積雪寒冷地の舗装技術を駆使し完成したものである。短い工期内で完成させる必要があり、当時は全国でコンクリート舗装の設計が一般的であったが、弾丸道路では当時工事実績の乏しいアスファルト舗装を本格採用した。この道路には積雪寒冷地の道路設計、凍上対策、およびアスファルト混合物の種類等について検討され、積雪寒冷地の舗装技術の礎となった。本報告は弾丸道路で検討した舗装技術や現在の舗装技術に与えた影響等を報告するものである。 キーワード:弾丸道路、積雪寒冷地、アスファルト舗装、摩耗対策、凍上対策 1.はじめに 弾丸道路は日米行政協定に基づく安全保障諸費という特殊な財源で建設された道路であり、高橋敏五郎元札