5月某日、渋谷にある社内のミーティングスペースに、スーツ姿の男性が大きなキャリーバッグを引いて現れた。 「家が地方なんで。いま、取材や商談が色々あって東京に来てるんですよ」と、開口一番、溌剌とした口調で話してくれる。 手際良く荷を解いて机の上に広げられたのは、何の変哲もないノートPCだ。男性はWebのユーザーインターフェース上でAI画像生成ソフトを立ち上げる。いくつかの設定を行い生成ボタンを押すと、ぼやぼやとした淡い色のノイズが画面に出現する。 一体このノイズがどうなるのか見つめていると、PCのファンが廻り、高速でロードを始める。更新される度にノイズの中から輪郭が浮かび上がり、ものの十数秒でメイド服を着た可憐な美少女の画像が、我々の目の前に現れた──現代のAI技術は、まさに魔法のようだ。 「画像の出力はものすごく早いので、仕事に行っている間にリモートで100枚ぐらい画像を出しておいて、そこ
![世界一使われた“美女AIモデル” 制作者の素顔 「文化発展のため」に果たす責任](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/53446959f42d60ff9befc39fdf3100c8285ebb7c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpremium.kai-you.net%2Fimages%2Fa%2F2023%2F06%2F818x%2Fdc272aac903c1977be89e07ca5a7dc91.jpg)