しりあがり寿や吉田戦車など、独特な世界観を持つ作家のデザインを多く担当してきたことで知られている祖父江慎氏。今やデザイナーの枠を超えて、さまざまな顔を持つ。2005年には、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にて、「祖父江慎+cozfish展」を行い、これまでに行ってきた数々の装丁とアートディレクションを披露し、アーティストとしての一面ものぞかせた。その祖父江氏に文字に対する熱いこだわりとMacとの付き合いについて伺った。 僕のカエルとハムタロー 「見て。ちょっとカタカナが変だと思わない?」。祖父江氏はモニタに表示された文字を指さしながら、まるで特別な秘密を発見した子供のように語る。 「これ、カタカナじゃないんですよ。漢字なの! その証拠にほら、テキストを全部明朝体にしてみると……」。 「おもしろいよね。カタカナに見えていた8文字は、実は漢字だったんでした。そこだけ教科書体にして