読売新聞によれば、秋葉原の大量殺人事件以降、無差別殺傷事件が3週間に7件も相次いでいるという(きのうも1件あった)。こういう現象は自殺と同じで、メディアが騒ぐと続発することは、犯罪心理学でよく知られている。まずメディアが自重し、特に同じ事件を繰り返し続報で扱わないことが重要だ。 もう一つは、こうした事件に意味をもたせないことだ。「格差社会」や「勝ち組・負け組」といったありがちな図式で、殺人犯を「時代の象徴」に祭り上げることは、病人を増長させ、模倣犯を呼ぶ。この種の「ありがち評論」の典型が、事件の実態もわからない3日後に「容疑者が職場への怒りや世間からの疎外感を長期的に募らせた」とか「社会全体に対する空恐ろしいまでの絶望と怒り」などという見事なステレオタイプで、秋葉原の事件をテロと呼んだ東浩紀のエッセイだ。 仲正昌樹氏は、『諸君!』9月号で、東のサヨク的議論を「ポストモダンの堕落」と批判