昨日の記事には、予想どおり「財界の犬」とか「違法行為を擁護するのか」などの批判があった。そこでバランスをとって、というわけでもないが、朝日新聞の取材班の書いた本から、御手洗氏の発言を引用してみよう(pp.97〜8)。「キヤノンは、終身雇用という人事制度をとっている。それは終身雇用という制度が日本の文化や伝統に根ざしたものであり、日本人の特性を引き出すのにもっとも適したシステムだからである。」 「アメリカには[・・・]何千、何万という職能分析と給料が地域別に出ており、自分がどこに行けばいくらで雇われるかがわかるから、安心して職を変えられる。日本では、そういう仕組みができていないのに、終身雇用をなくせなどと、学者などが軽々しくいうのは無責任だと思います。」 「セル方式[キヤノン独自の生産方式]で、延べにして2万2000人を減らした計算となるが、増産もあったので、半分ぐらいが残り、実際に減ら