シンクライアントとはそもそもどう定義すべきものなのか。「端末」の変遷を踏まえながら、その特質を探っていこう。 業務のIT化が進むにつれて、ユーザーの手元に置かれるパソコン類は、従業員一人ひとりにとってなくてはならないものになった。これらはユーザーから見れば「パソコン」(PC)だが、システムにおいては個々のユーザーが操作する機器は「端末」と呼ばれる。 本稿のテーマであるシンクライアントも「端末」の一種だが、シンクライアントについて説明していく前に、まず「端末」そのものの変遷を簡単に解説しよう。 端末の変遷 ●ダム端末 最も古い時期から利用され、しかも今のPCに近い形態をなしている端末の1つに「ダム端末」(dumb terminal)がある。構成は、 出力装置:ディスプレイ 入力装置:キーボード という形だ。 業務内容によってはこれ以外に、「ライトペン」や「磁気カードリーダ」といった周辺機器が