衆院本会議で内閣不信任決議案が否決され、一礼する岸田文雄首相(右)ら=国会内で2022年6月9日午後5時2分、竹内幹撮影 国会が閉会し、永田町は7月10日投開票の参院選に向けて走り出す。岸田文雄首相の内閣支持率が堅調な一方、野党はまとまりに欠け、与野党激突の雰囲気はいまだ感じられない。ニッポンの民主主義の現状は危ういのかどうか、政治思想史が専門の東京大教授の宇野重規さんと、毎日新聞の与良正男専門編集委員が語り合った。【構成・葛西大博】 与良 ロシアによるウクライナ侵攻の戦況報道が続き、有権者の国内政治への関心は低いようです。参院選は、岸田首相のこれまでの実績を評価する絶好の機会なのですが。 宇野 もし参院選を岸田政権がうまく乗り越えたならば、国政選挙がないかもしれない今後の3年間に何をやるかということが、選挙戦を通じて議論が深まらないといけないはずです。首相は新しい資本主義やデジタル田園都