難解な現代音楽のひとつだった電子音楽をポピュラーにしたことで有名なドイツのテクノグループ・クラフトワークの代表的なアルバムに『アウトバーン(ドイツの高速道路)』『ヨーロッパ特急』がある。シンプルな交通インフラをタイトルにするという思い切った背景には、彼らが当時ツアーで移動していたドイツの高速道路を走行する音や、鉄道が線路を走る音そのものを音楽として再現しようとしたことがある。そのアイディアは電子音楽の持つ無機質さと一致し、今日に至るまでの名盤となっている。 クラフトワークの代表作の発表からすでに数十年が経過した。その間に無機質なはずの機械の音やノイズも音楽として使われることは当たり前になり、この文章をキーボードで打ち込む音さえも音楽となりうることも当たり前のようにわかっている。 鉄道運営シミュレーション『Mini Metro』の一番最初のマップ、ロンドンの路線図をクリアして思い出したのはそ