文章を書くという仕事は、ゼロを1にする作業だと思われがちだ。小説や脚本、ゲームシナリオなどの創造的な文章ならばなおさらだ。しかし実際には、文章を書くというのは100を1にする作業だ。文章を書けるかどうかは、このことに気づけるかどうかだと思う。
歌を録音して、動画を作って、題名に「歌ってみた」の文字を添えてニコニコ動画にアップロードしている。そんなことをもう3年ぐらい続けている。 多くの「歌い手」がそうであるように、私もボカロ曲やアニメソングなどを主に歌っている。でも、最初からそうだった訳ではない。一番最初に「歌ってみた」のは戸川純の「諦念プシガンガ」だった。戸川純ファンと思しき人々から辛辣なコメントが次々に投稿されたので、怖くなってすぐに削除してしまった。今にして思うと、それほど激しく攻撃されたわけではないけれど、不特定多数からネガティブな感情を突き刺されることに慣れていなかった当時の私は、すぐにパニックに陥ってしまったんだと思う。 話が前後するけれど、私が「歌ってみた」を始めたそもそもの動機は、ざっくりした言い方をしてしまうと、チヤホヤされたかったからだ。いや、チヤホヤとまでは行かなくても良い。ただ、自分が起こしたアクションに
子どものころ、眠りにつくとき、母がベッドのそばに腰かけて、おとぎ話をしてくれた。 今は、椎名(しいな)が僕の横で、ベッドタイム・ストーリーを語ってくれる。 彼女の声に耳をかたむけて、僕は、身をゆだねる。 彼女の声を、どこまでも持っていく。 どこまでも、どこまでも……。 夜のむこうまで……。 彼女の声を……。 椎名というのは苗字(みょうじ)で、名前は、アカリという。趣味は物語をつくって小説にすること。それと、占星術だ。といっても、彼女の書いた小説を読んだことはないし、占ってもらったことも一度だってない。彼女は大学の一年後輩である。椎名と僕は、ある【土曜日】に知り合って、話をするようになり、学食でいっしょにご飯を食べ、帰り道をならんであるくようになった。その椎名が、ここ最近、僕が眠れないとき、枕元でベッドタイム・ストーリーを聞かせてくれる。内容は、おとぎ話というよりも、宇宙に関するほら話だ。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く