捏造についての総論の必要性捏造構造分析にとってケース分析(この稿では小保方ケース)、すなわち各論は欠かせないが、研究者からメディアまで全員が各論だけにとらわれて、しかも「私の意見は正しい」と主張し続けた昨年の騒ぎを思い返すと、各論から離れて捏造の現状を冷静に把握する総論的思考が我が国には欠如しているように思える。とはいえ総論を展開するためには捏造についての調査が必要だ。総論に必要なデータはどこから集めるのか?心配することはない。捏造を分析した様々な論文は数多く発表されている。 捏造についての論文昨年の騒ぎで、小保方さんを始め捏造を行うのは倫理観の欠如した特殊な人間というイメージが作り上げられていった。小保方さんが普通でなかったことは私もわかるが、この結論だと、一人でも「普通」でない人間を出さないように教育を徹底し、「普通」でない人の採用を控えるようにしようという差別的対策で話は終わりになる