このたび、西村剛 霊長類研究所准教授、香田啓貴 同助教、正高信男 同教授、親川千紗子 同大学院生(現東北大学農学研究科助教)らの研究グループは、徳田功 立命館大学理工学部准教授と二本松俊邦 福知山市動物園園長との共同研究で、テナガザルがヒトのソプラノ歌手と同様の方法で、大きく澄んだ朗々とした「ソング」と言われる独特の音声を作り出していることを見出しました。 このことは、ヒトの音声言語を含む霊長類の多様な音声が、従来言われている以上に、共通する音声器官と音声生成メカニズムで成り立っていることを示し、音声言語の進化プロセスの解明に向けたあたらしい視点をもたらしました。 この成果は、米国科学誌American Journal of Physical Anthropology誌(米国自然人類学雑誌)に2012年8月24日にオンライン公開されました。 研究の概要 テナガザルは、東南アジアのうっそう