※『世界』2026年8月号収録の記事を特別公開します。 天皇制について発言を求められるたびに、わたしは断ってきた。論じれば論じるほど、賛否共に国民の関心が集まることを怖れたからだ。それより、関心が徐々に薄れていって、皇統が絶えると共にフェイドアウトしていってくれたらよいが、と感じていた。 その皇統の継続が危ぶまれている。皇太弟の秋篠宮のほかは、次世代の男系皇位継承者はその息子の悠仁のみ。皇室典範の改正は待ったなし、という危機感を煽って、今国会での成立が議論されている。改正案の内容は二択である。あくまで男系男子に固執するか、それとも女性天皇を容認するか。前者が提示したのは、皇統男子の養子縁組の制度。後者が提示したのは女性皇族の結婚後の皇籍保持。どちらも、という選択肢もある。 皇位継承者の選択肢を増やすもうひとつの奥の手は側室制である。古代の天皇には采女という側女がいたし、明治天皇には正室2人

