http://www.medias.ne.jp/~seizi-n/kaisen.htm開戦前夜 第二次大戦の開戦は極秘に進められていた。戦力や経済力に劣るわが国は、陸海軍共に奇襲攻撃により、緒戦に優位な態勢に活路を見出そうとしていた。昭和16年10月、日米交渉は破局に近く、台湾は兵員が溢れていたが、国民の殆どは米英相手の開戦など思いもつかなかった。 選りすぐられた４８D 昭和１５年４月、私は台湾山砲隊に応召 入営した。前年の徴兵検査で第２乙種で兵役は無縁と思っていたが、甲種合格と同時入営だった。それだけ時局が切迫していたといえる。平時の台湾軍は１ヶ旅団（師団の半分）の兵力だが、日支事変出兵のため増強し、大分の歩兵４７連隊を加え師団兵力になっていた。従来歩兵４個連隊を基幹としていたが、大東亜戦争に向きに歩兵３個連隊基幹として、師団をスリム化し機動力を増した。これを海洋編成というが、南方軍はすべて海洋編成となり、我が師団はその第１号で、防諜略号を「海兵団」と称した。
