www.youtube.com 映画を思い起こしながらぼんやりと「鳥籠が、鳥を探しに出かけていった」というカフカのアフォリズムを思い浮かべていた。京都アニメーション制作、監督・山田尚子によるアニメ映画『リズと青い鳥』。テレビアニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズのスピンオフと位置づけられる本作だけれど、恥ずかしながら原作もアニメも未見で、あくまで独立した一本の映画として鑑賞した。シリーズ未見の人でもなんら問題なく楽しめるよう作られていたが(実際「『聲の形』スタッフ」という宣伝文句が強調されていたから、戦略的なことなのだろう)、もちろんシリーズ履修者にしかわからない、共有しきれていない文脈が多々あると思う。一方で、シリーズのファンであっても面食らうような作品になっていたのではないかという気もする。どこをどう切り取っても山田尚子のフィルム、それでいて過去の監督作とはまったく別種のアトモスフィア