■ パリ滞在中、三度ほど正式のランチに招かれた。その内の二度、前菜として「ポマティア」(ブルゴーニュ・エスカルゴ)を注文した。環境変化と乱獲が祟ってフランス国内では絶滅寸前まで行っている「ポマティア」であるけれども、これを世界で最初に養殖に成功したのは、日本人である。「日本には、エスカルゴを食する文化はないので、この人物は、全然、儲かっていないようであるけれども、日本には、儲けにならないことでも頑張ってしまうオタク的な人々が至る所にいるのですな…」。こうしたことをフランス外交官との会話で伝えるネタとして使うだけのために、二度も「ポマティア」を食した。もっと色々なもの食えたのに、もったいなかったというべきであろうか。聞いていた中国赴任歴のあるフランス外交官は、「中国人は、当面の儲けになることしかしませんわね…」と水を向けてきた。「そう、だから、日本の経済力は、まだまだ強い。長期で観れば、アジ