織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、真田幸村、上杉謙信……。歴史に名を残す英雄たちは、どのような失敗を経験し、そこから何を学べるのか。日経BPから『歴史の失敗学』を刊行した歴史家の加来耕三氏が、独自視点の軽快かつ濃密な歴史物語で25人の英雄たちの “知られざる失敗の原因” を明らかにし、ビジネスパーソンに役立つ教訓を浮かび上がらせる。 桶狭間の戦いで今川義元を破ったことが織田信長のイメージを作った 今回、取り上げるのは織田信長。天下統一への道を開いた規格外の戦国武将の失敗からはどのような教訓が得られるのか。一般的なイメージとは異なる信長の実像に迫る。(聞き手は田中淳一郎、山崎良兵) * * * ――信長は若い頃、常識やルールを守らない問題児で「大うつけ」と呼ばれていました。父親の葬儀でお香を位牌(いはい)に投げつけたエピソードも有名です。また「比叡山延暦寺」の焼き討ちに象徴されるように、短気で怖