2008年秋の関東での調査を終えて宮古に戻ると、下川凹天企画展の話は予想以上に、とんとん拍子に進みました。地元の生涯学習フェスティバルに、凹天研究の第一人者である沖縄キリスト教学院大学(通称キリ学)の大城冝武(おおしろ・よしたけ)教授を招いて講話をしていただいたり、地元新聞で記事にしてもらったりと、じわじわと凹天さんの知名度アップに向けて動きました。そして、博物館からは約1年後の開催を目指して予算をとってみるとの返事をもらったのです!。 凹天最晩年の弟子であった千葉県野田市在住の漫画家・出野元山(いでの・がんざん)さんは、わざわざ宮古島にも足を運んでくれたうえ、月に一度は電話やハガキなどで近況を確認し、私にエールを送ってくれていました。「あせらずにおやんなさいよ。みんなで凹天さんを大事にしていこうじゃないですか」と、独特の軽妙な話し方で電話の向こうから励まされるたびに、心強く感じていたので