中国広東省の珠海南平鎮にはフォント・マニアにも知られていない字体制作工房である珠海宝富美術字体加工廠がある。珠海宝富美術字体加工廠は,以前は日本の写研の下請けとして字体デザインの仕事をしていた。創設者は香港人で,珠海に工房を作ったのは香港との交通の便がいいからだった。工房は一時200人まで規模を大きくしたが,写研がデジタル・フォントの分野へ踏み込むことを望まず没落したのに伴って業績も悪化した。しかし現在では新しい請負先であるモノタイプのために,30人ほどの人数で専門に字体のヒンティングhintingをする後加工をしている。windows vistaの雅黒体のhingting作業もここで行われたという。 3月4日は珠海にある書体制作会社を訪問。これはたまたま今回の講演を依頼してくれた学校が珠海にあったんですが、珠海にそういう会社があるというのをモノタイプの人から聞いて、それなら好都合というの