正解を知っているのは自分だけ むろん、これまでの大谷の野球人生にも幾多の危機があった。日本ハム時代から幾度も足を故障し、'18年には、肘に大きな損傷が見つかって靭帯再建手術も受けている。 これまで大谷がケガをするたびに、多くのプロ野球OBが「投打のどちらかに絞るべきだ」と主張してきた。実際、どちらかに絞って経験を積んだほうが、身体の負担も減り、突出した成績も残しやすいように思える。 しかし、大谷は決して耳を貸さなかった。 〈もしかしたら、片方をやっていたほうがいいのかもしれない。でもやっぱり、二つをやっていたほうがいいのかもしれない。そこには正解はなくて、僕としては「やったことが正解」というだけなんです〉