鳥類の祖先とされる約1億2千万年前の恐竜の羽毛は黒で、光沢によって玉虫色に輝いていたと、中国と米国のチームが9日付の米科学誌サイエンスに発表した。光沢で尾羽などを目立たせ、異性にアピールしていた可能性があるという。 チームは、中国・遼寧省から出土し、北京自然博物館に収蔵された小型の獣脚竜「ミクロラプトル」の羽毛の化石を、電子顕微鏡で観察。黒い色素メラニンが入った小器官が、密に並んでいることを見つけた。 このような小器官の配列構造は、光沢を放つ現代の鳥の羽と同じ。タマムシや一部のチョウのように、光の当たる角度によって色が変わる光沢を放っていた可能性が高いと結論づけた。 鳥類では、羽の輝きの良い雄が、雌に選ばれやすいとの研究もある。国立科学博物館の真鍋真研究主幹は「羽毛の色によるコミュニケーション的な側面が早くから進化していたとみられる。飛行能力の獲得ばかり注目されていたが、社会性も重要だった