きづきあきら+サトウナンキ『いちごの学校』 ※以下の感想にはネタバレがあります。ただし、この作品はストーリー展開を「知らない」ことで面白さは付加的に増すとは思いますが、ストーリーを仮に知ったとしても作品そのものの価値はまったく減じない、何度でも再読に価するものだとぼくは思います。 これは……重い。 ずぅぅぅぅぅんとみぞおちあたりに来た。 赤ん坊を寝かしつけながら読んだだけになおさらかも知れないが。 オビには「元教師と元生徒+赤ちゃんのほんのり苦くて切ないラブストーリー」とあるが、いやいやそんな「ほんのり苦くて切ない」どころじゃなかった。 「責任」をめぐるあまりに重い議論と展開 ソツなく教師生活をこなし周囲の評価も高い主人公の男性教師・大宮壱吾が、女子高生・板橋くるみにハマってしまい、くるみもまた強く惹かれてしまう。 やがて妊娠し、大宮は職を失い、くるみは退学となるのだが、高校での二人の関係