侵略戦争を美化・正当化した育鵬社の歴史教科書を、一部の教育委員会が採択しています。同じく侵略美化の自由社版教科書とともに、その内容に批判が高まっています。両社の教科書はどのような授業を教師にさせようとしているのか。現在使われている自由社版歴史教科書の教師用指導書と、育鵬社版の前身である扶桑社版歴史教科書の教師用指導書から探ってみました。 (高間史人) 扶桑社版と自由社版の歴史教科書は日本の侵略戦争を「大東亜戦争」と呼び、「アジア解放のための戦争」「自存自衛の戦争」と描き出しています。両社の教師用指導書はその意図をより鮮明にしています。 指導書の内容は両社ともほぼ同一です。例えば、アジアへの日本の侵攻については次のように授業することになっています。 「日本軍が進撃してきた時、東南アジアの現地の人々はどのような態度で日本軍を迎えたでしょうか」と教師が問いかけ、四つの選択肢を示します。生徒が選ぶ