元気のない日本のエレクトロニクス業界。その中でも、価格下落が止まらず、各社のお荷物になっているのがテレビ事業だ。なんとか歯止めをかけようと起爆剤として高機能テレビを投入するが、消費者の冷ややかな視線にさらされている。「機能が多ければ、豊富であれば売れる」という呪縛からいまだに逃れられない日本のメーカーは、一体どこに向かうのだろうかーー? ●家電見本市で人だかりができていたのはトヨタブース!? 9月に開催された国内最大の家電見本市である「シーテック」。出展企業の1社は「家電見本市とは名ばかりでしたよ」と語る。デジタル家電化のコモディティ化で、かつての花形だったテレビの出展は各社大幅に縮小。事実上自社生産から撤退した日立製作所が、初めてテレビの出展を見合わせたことでもそれは明らかだ。 「家電メーカーの出展は、スマートグリッド(次世代送電網)や自動車との連携技術などが中心。実際、ブースに人