見るべきはブルペンだけではない。 今の松坂大輔を理解するためには、キャッチボールにもいくつかの大切なポイントがある。 キャンプ初日の松坂は、じつに丁寧なキャッチボールをしていた。振りかぶって右足で立つ。その時、彼はトントンと2度、3度、右足だけでジャンプする。これは右の股関節に上半身を正確に乗せるための確認作業である。 キャンプ第1クールでは確認作業に時間を費やしている松坂大輔 そのために松坂がふだんから欠かさないトレーニングがあった。 縄跳び、それも二重跳びだ。 上体を真っすぐに保ったままの二重跳びは、股関節に上半身を乗せる意識を磨き、その感覚を体に覚えさせてくれる。だからアメリカにいる時から、松坂は家にいるときも二重跳びを欠かさなかった。 上半身が股関節に乗ったら、右腕の位置を確かめる。 今度は肩甲骨に右肩を入れる作業である。プレートからホーム方向へ下半身が体重移動していくとき、回転す