増田アースにおける最初の知的生命は高緯度地帯に生まれた。 それが悲劇の始まりであった。 サケ(類似生物)漁により富を蓄え貧富の差が拡大した文明の中から 複数の国家があらわれ、そのうちの一つが禁断の挙に出たのだ。 薬物の使用による冬眠打破である。 隣国が寝静まっている間に、襲いかかった侵略者は内分泌系の異常により 凶暴化しており、下痢に苦しみながら暴れ回った。 あわれな隣国はまどろみの中で滅亡した。 そんな事態がまたたく間に繰り返され、最初の世界帝国「モレツ」が誕生する。 だが、知的生命本来の生態をうらぎる生き方をよしとしない人々は、 モレツ帝国に奴隷労働を課されながらも、氷と木屑から船を建造。 知的生物ではじめて赤道を突破することに成功した。 こうして誕生した増田アース南半球側の「テイジー同盟」と北半球側の「モレツ帝国」は、 非常に毛深い知的生命たちの活動が困難な赤道を挟んで対峙。 数少な