インターネットや携帯電話の普及に伴い、この10年ほどで私たちを取り巻く情報環境は激変した。ありとあらゆる情報が毎日私たちに向けて数え切れないほど発信されているが、そのほとんどは気に留めることもなく、流れ去っていく。私たちは情報社会にいると錯覚しているが、実は情報量が多すぎるがゆえに情報に対する感度がどんどん鈍っているのかも知れない。 このような環境の中、伝えたい情報を、伝えたい人に届けるためにどうすればよいのか。「情報の洪水の中でも時々『あ、これ欲しいな』と消費者が感じて受け取る場面がある。そういう瞬間を増やすこと、増やすためにどうすればよいかを考えること」が、デザイナーの仕事だと廣村は言う。