電子部品大手のTDKは、酸化インジウムすず(ITO)を原料とする透明な導電フィルムを使い、地上デジタル放送が受信できる「アンテナ」を開発した。TDK独自のフィルム製造法で、アンテナとしての機能に足りる水準までフィルムの導電性を高めることに成功。将来的には自動車の窓にフィルムを張り付けた「窓ガラス型アンテナ」などとして応用が可能という。 アンテナは導電フィルムをA4判サイズのプラスチック板に張り付けたもの。導電フィルムは、電気抵抗を示す抵抗値を1平方センチ当たり100〜200オームにまで低減させた。抵抗値が低く電気を通しやすい素材は、電波を吸収してアンテナとしての機能を果たすという。 アンテナの試作品では、おおまかに電波塔の方向にアンテナの面を向けると、鮮明なテレビ映像を映し出すことができた。 ITOは光を透過する導電材料で、薄型テレビの電極などに使われている。これまで高温でガラスなど耐熱性