石油や石炭の代わりに、生物資源を原材料にしたプラスチックの素材をつくれないか――。こうした技術開発が進んでいる。 2008年10月17日の日本経済新聞朝刊は、「財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)が米化学最大手のダウ・ケミカルと共同で、雑草や農業廃棄物から石油化学の基礎原料を量産する技術の実用化に取り組む」ことを報じた。実は、こうした動きは、しばらく前からさまざまな形で現れていた。 植物などの生物資源を化学工業の原料にしようという考え方には二つのアプローチがある。一つはRITEなどの例のように、発酵によってアルコールをつくり出す方法。もう一つは、乳酸菌でデンプンから乳酸をつくりプラスチックの原料とする方法だ。最新の動きを紹介する。 石油を代表とする化石燃料は、エネルギー源として利用するほかに、化学工業の原料としても使われている。バイオガソリンが経済的に成り立つならば、バイオ燃料