「スマートフォンの開発は気軽でいいよな。言語の設定さえ変えれば、各国で使えるんだから」 そんな声を耳にしたことがある。 アップルのiPhoneが頭に浮かぶ。確かに、白物家電などは、地域ごとに商品をローカライズすることに一苦労する。「パナソニックの欧州白物家電戦略」でも取り上げたように、生活文化に根ざした道具は、思いもよらない使い方に戸惑いながら、開発しなければならない。 一方で、スマートフォンはその必要がほとんどなく、対極に位置すると思われている。 そもそも、製品自体がグローバルなコミュニケーションを念頭においたモノだという特性があるのだろう。しかも、洗濯機といった白物家電のように、生活に根ざした歴史を負っていない。 つまりスマートフォンとは、ここ数年で、世界の人がいっせいに目にして、使い方を学び始めたばかりのデバイスなのだ。だから、冒頭の発言をした人のように、スマートフォンが地域ごとの生