前回取り上げた「予測マシンの世紀」の源流といえる「情報経済」を既存の経済学で読み解いた古典的名著。ほぼ20年前の1998年の時点で、現在のGAFA的なプラットフォーマーの登場はすでにこの本で予見されていた。著者の一人であるハル・ヴァリアンは2002年からGoogleの経済学のブレーンを務めている。そして今、テック企業は経済学Ph.Dの採用を拡大している。 <原書> [著]Carl Shapiro、 Hal R. Varian [発行日]1998年11月19日 [出版社]Harvard Business Review Press [定価]40ドル 経済学が最強の学問である? 見出しはとあるベストセラーシリーズからのパクリだが、1990年代からの急速なIT技術の発達とそれに伴う社会変化を、冷静な目で分析・予測してきた分野の一つが経済学である。「Information Rules」はその分析の一