大学生の時に、論文の書き方についてのセミナーを受けたことがあります。そこで講師の人が「論文の想定読者は中学生程度の教養を持ち、一度言ったことはすぐに理解し、決して忘れない AI だ」と言っていたのが印象に残っています。実際に、ほとんどの論文や教科書はこのような想定を置いたと思われる文体となっていると思います。これは訓練された「頭の良い」人々にとっては効率的でわかりやすい表現方法ですが、そうでないほとんどの人達(僕もその一員です)にはわかりにくいし、とても読む気にならないでしょう。 特に数学の教科書はその傾向が強いと思います。物理学をやってる人ですら「数学の教科書は読みにくい」と言うのをよく聞きます。数学畑の人と物理畑の人では訓練の仕方が違うため当然と言えば当然なのですが、とにかく、少なくとも読みやすいものではないと思います。 ちなみに数学の教科書は公理・定義・定理などが、公理→定義→定理→