欧文組版で有名な日本語書籍といえば、小林章氏の『欧文書体』と『欧文書体2』だが、こちらは、欧州のタイポグラファなら必携と言われる、ヨースト・ホフリ氏のベーシック『Detail in Typography』の待望の翻訳版が2017年に出版されていた。 本書は、タイポグラフィの構成やレイアウトなど、マクロなものを解説するものではなく、マイクロ・タイポグラフィを解説している。 事実、本書の構成は、文字・単語・行間といった、タイポグラフィの最小の構成物から、分かりやすく説明している。 読みやすさとはなにか、文字における幾何学的錯視について、カーニングや、数字・約物について、ひととおり説明している。それらには派手さはないかもしれないが、基礎が疎かにだと良いものは作れない。まさに、God is in the details. ただし、カーニングテーブルを信用しすぎるのもよくない。(中略)これは活版以外