エッセイ震災後の東浩紀さんの言動*1には一応被災者の一人として本当に腹がたつけれども、娘に対する責任ということを口にするとそこに対して拳を振り上げる気にはなれない。いや、そこで東さんの口にする理屈(とも言えないもの)にもっともだ、と思ったということではない。彼の口走るデリダとかレヴィナスについて、少なくとも訳書を読みかじっただけのぼくでも笑止千万な話だ。自分の話だけをして怒られたからと言って、今度は身内の話をしだすのにはあきれ果ててしまう。東さんには徹底して「他者」という概念が欠けているような気がする。しかし、やっぱりそうは言ってもぼくも「20代の独身男子」だけど*2、東さんの娘さんの汐音ちゃんの顔が浮かんでしまって、いざ振り上げた拳をその顔の前ですごすごと降ろさざるを得ないような気がしてしまう。自分に娘がいたらどうするか、というのとも違うと思う。自分がこういう非日常的な場面にあって、まさ