昨日は夕方から東京財団に向かい,VCASIセミナーを聴講した。VCASI とは Virtual Center for Advanced Studies in Institution(仮想制度研究所)のことで,青木昌彦氏が所長を務める。セミナーの題目は「社会科学の哲学から見た神経経済学---協力行動と嗜癖」で,講師は社会哲学を専攻する吉田敬氏である。吉田氏は神経経済学を行動経済学の神経科学的基礎づけを目指すグループと,神経科学の理論的基礎として経済モデルを導入するグループに分け,それぞれの代表的な研究を紹介する。前者の代表は,ゲーム論における協力行動の研究であり,後者の代表は,人間の嗜癖ないし依存症の神経メカニズムをモデル化する研究である。 吉田氏は,前者の行動経済学的な神経経済学に対する共感を持ちながらも,その前途には大きな障壁が立ちふさがっていると指摘する。脳の特定部位の活動と認知行動の
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