ビジネスのグローバル化とは、本来「企業が国境を越えてビジネスを展開する」ことを指す。だが、90年代のグローバル化は、その前段階として、いわゆる「グローバルスタンダード」に対応することに焦点が当たっていたようだ。 金融自由化、不良債権処理、成果主義や国際会計基準の導入など、「欧米のルールに合わせる」「欧米のやり方を取り入れる」という意味で使われていた側面が強い。 しかしここに来て、「グローバル化」が本来の意味を取り戻しつつある。単にグローバルスタンダードを取り入れることではなく、海外で生産したり海外市場で製品を売ったりすることが喫緊の課題だと考えられるようになった。 日本の人口は、2005年から減少し始めた。生産年齢人口も95年から減少に向かっている。少子高齢化と人口減少によって、日本市場の縮小は避けられない。働き手も減っている。つまり、海外労働者を雇用したり、海外市場に出ていかないと企業は