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ブックマーク / jbpress.ismedia.jp (271)

  • ユーロ危機、調整か解体か、もう待ったなし 脆弱な欧州は早急に変わらねばならない

    筆者はドイツ人を気の毒だと思っている。といっても、それはこの危機がどのように生じたかとか、どんな対策を打つべきかといった問題について彼らの大半が考えていることに同意しているからではない。 単一通貨ユーロを作ることが何を意味するのか、ドイツのエリートたちには分かっていたから、というのが気の毒だと思う理由だ。 ドイツのエリートたちは、政治同盟抜きの通貨同盟はうまくいかないことを理解していた。ところがフランスのエリートたちは、ドイツ連銀(ブンデスバンク)が決める金融政策に依存する屈辱的な状態を終わらせたがっていた。 それから20年の歳月が流れた今、フランスをはじめとしたドイツのパートナー諸国は、手痛い教訓を学ぶこととなった。ドイツの支配を免れるどころか、さらに強く支配されるようになっているのだ。深刻な危機において君臨するのは債権国なのである。 ユーロが導入されていなかったら、どうなっていたか も

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    tJacks 2012/05/24
  • ユーロ圏の離婚に向け計画を立てる時が来た

    (2012年5月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) もう何目か分からない「Grexit(グリグジット)」に関する記事を読んだ時、筆者の頭に映画「マラソンマン」のセリフが駆け巡った。このカルトスリラー映画では、ローレンス・オリビエが歯科医に転じた戦争犯罪人を演じ、麻酔もせず歯神経をドリルで掘ってダスティン・ホフマンを拷問する。拷問しながらオリビエは繰り返し問いかける。「これは安全かね」と。 「これは安全か」というのは、欧州の指導者たちがこの数カ月間、ギリシャのユーロ圏離脱について考えながら自問してきた問題だ。 もう通用しない言い逃れ、数カ月内に決断の時 昨年暮れ、筆者はまさにこの問題について欧州のあるベテラン政治家と話し合っていた。この政治家は筆者が何度も、ユーロ圏は欠陥のある構造物で崩壊する可能性が高いと書いたことに気づいており、だとしたら今すべてを解体した方がいいのではないか、と

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    tJacks 2012/05/23
  • ユーロを救う最後のチャンス

    (2012年5月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 欧州の指導者たちは遊び場から出るべきだ。ユーロを巡る議論は、まことしやかな選択に関する幼稚な言い争いになっている。緊縮財政か成長か、歳出削減か雇用か、市場改革か社会的受容か、といった具合だ。この先にあるのは狂気の沙汰であり、単一通貨の確実な崩壊だ。 時計の針は今、真夜中まであと1分のところを指している。ギリシャは恐らくもう救いようがない。スペインその他の周縁国で見られる銀行取り付け騒ぎの初期の兆候は、ギリシャが再選挙で態度を決める前から、伝染病のウィルスが広まり始めたことを示している。政策立案者たちに残された時間は、わずか数日前に考えていたよりも少ない。 独仏関係の調整を機に大人の議論を フランスでフランソワ・オランド氏が大統領に選ばれたことは、ユーロ圏の統一性に対する脅威として広く受け止められてきた。逆に、独仏関係の調整は、大人の

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    tJacks 2012/05/21
  • 社説:政治と改革のバランスを取るオランド大統領

    (2012年5月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) フランス新大統領のフランソワ・オランド氏は合意形成で定評がある。その質に違わず、同氏は先日、フランス左派の多様な集団を反映した政権を発足させた。これは派閥間の亀裂を埋め、オランド氏がほぼ20年ぶりに社会党の大統領になるのを後押しした人々に必要な見返りだった。 新内閣は様々な意見を網羅しており、産業担当相には心配になるほどの保護貿易主義者、内務相には自由市場リベラル派が就いた。だが、この多様性の中に、オランド氏がどのような指導力を発揮しようとしているのかを垣間見ることができる。 閣僚の顔ぶれに見て取れるメッセージ 見えてくるのは心強い兆候だ。増税で歳出を増やす強硬派ではなく、若干近代化論者寄りの顔ぶれは、市場を安心させるのに役立つだろう。中でも注目すべきは、オランド氏のライバルであるマルティーヌ・オブリ氏(害の多いフランスの週35時

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    tJacks 2012/05/21
  • 預金流出に揺らぐギリシャの銀行システム

    (2012年5月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) アテネの銀行関係者らによると、ギリシャの預金者は5月14日、15日の両日で銀行口座から推定12億ユーロを引き出したが、ユーロ圏やギリシャの銀行当局者らは、金融機関での格的な取り付け騒ぎは起きていないと主張する。 だが、6月17日の再選挙後に政府が樹立されるまで、ギリシャの銀行システムは金融安定化を図る同国の取り組みにおいて、最も弱い部分になる恐れがある。預金者のパニックの兆しが見られたら、ユーロ圏諸国の指導者は、ギリシャ政府が発足していない中で救済に関する重大な決断を迫られるかもしれない。 4400億ユーロ規模のユーロ圏の救済基金、 欧州金融安定機関(EFSF)は先月、ギリシャの銀行のてこ入れに乗り出し、1740億ユーロの追加支援策の一環として、銀行の資増強を管轄するギリシャの機関に250億ユーロの救済資金を送金した。 資金が送

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    tJacks 2012/05/18
  • ユーロ圏諸国に襲いかかるギリシャの炎 離脱懸念とともに伝染リスクが拡大

    伝染――。これは欧州債務危機が始まってからずっと市場が恐れている言葉だ。もしギリシャが単一通貨ユーロから離脱すれば、伝染はこれまで想定されなかった形で表面化することになる。 「グリジット(GrexitGreeceとexitの合成語)」が現実のものになれば、政策当局が築いたが、多くの投資家が不十分だと見なしている防火壁の性能が試され、欧州大陸の銀行セクターは極めて強いストレスにさらされるだろう。 しかし市場関係者の多くは当面の悪影響よりも、まだ苦しんでいるほかのユーロ参加国にギリシャが示す前例の方を心配している。 ギリシャが離脱の前例を作ってしまったら・・・ 「この点における最大の懸念は、必ずしもその一次的な効果ではなく、ユーロはその性質上解体できないとの見方に一石が投じられることにある、と我々は考えている」。ドイツ銀行のクレジットストラテジスト、ジム・リード氏はこう語る。 「ほかの国の苦

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    tJacks 2012/05/16
  • 成長戦略を描けない日本

    (2012年5月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 日政治家たちは先月、小泉政権時代の郵政民営化計画を骨抜きにした。世界第3位の経済大国を復活させるビジョンの1つをきっぱり否定した格好だが、残念なことに、これといった代替策は提示していない。 長期の経済成長率を押し上げることは政策上の優先課題だ。これは小泉純一郎氏が首相として郵政改革を押し通した2005年当時においても同様だった。 ところが、2006年に退任した小泉氏の後を継いだ首相たちは目を見張るような施策を打ち出していない。巨大な銀行・保険事業を持つ日郵政グループの国家支配を打ち破ろうという小泉氏の構想に比べれば、足元にも及ばないものばかりだ。 手をこまぬいて見ていたわけではない。かつて強い勢力を誇った経済産業省の官僚たちは、エネルギー関連技術や環境保護、医療といった潜在力の高いセクターに資源を振り向けて「縮小均衡とジリ貧」

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    tJacks 2012/05/15
  • 自発的な「金融抑圧」でマゾヒズムの時代の到来 不利な金利でも国債を買うしかない?

    (2012年5月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 今からちょうど1年前、経済学者のカーメン・ラインハート氏とベレン・スブランシア氏は、「金融抑圧」に関する国際通貨基金(IMF)の革新的な論文を執筆した。当初、多くの西側の投資家は論文を見て、ポカンとした。 というのも、こうした「抑圧」は近年、新興市場で幅広く議論されてきたが、米国では多くの人が、この暗い響きのある言葉が何を意味するのか知らなかったからだ(答えを言えば、「金融抑圧」とは、投資家が好ましくない金利、つまり現行のインフレ水準を下回る金利で債券を購入せざるを得ないと感じる状況を政府が作り出し、国の債務を減らす助けをすること)。 ユーロ圏や米国にも広がる金融抑圧 時代は変わるものだ。あれから1年経った今、「抑圧」という言葉は、西側諸国で開かれる投資家の会合で飛び交っている。 無理もない。ユーロ圏では、スペインやアイルランドのよ

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    tJacks 2012/05/14
  • 社説:スペインの銀行の心臓に開いた穴

    (2012年5月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) スペインのマリアノ・ラホイ首相は就任時に、納税者のお金はもう1ユーロたりとも銀行部門の救済に使わないと断言した。だが、スペインの預金の10%を保有する貯蓄銀行バンキアの危機で、首相は目を背けてきた重大な問題と対峙せざるを得なくなった。 スペインの銀行部門は、不動産市場の崩壊以降、多額の資金を調達してきたにもかかわらず、いまだに深刻な資不足に陥ったままだ。 政府による強制的な業界再編策と強制評価減による540億ユーロの損失処理は、10年間にわたる不動産騒ぎの行き過ぎと向き合い始めるよう銀行に圧力をかけたかもしれない。だが、それでも銀行部門が抱える不動産問題の真の規模には対処できなかった。 景気後退が進むにつれ、不動産と土地の価格は暴落している。今では、これまで優良債権だった融資の価値さえ疑わしくなっている。 不動産バブルの大きなツケ

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    tJacks 2012/05/11
  • フランス新大統領がドイツに言わねばならないこと

    (2012年5月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) フランスとギリシャの選挙は我々に、緊縮疲れが広まったことを教えてくれている。これは驚くに当たらない。何しろ多くの国にとって、恐慌とデフレと絶望から抜け出す確かな出口が存在しないのだ。 ユーロという通貨同盟が通常の固定為替相場制だったとすれば、金位制が1930年代に、ブレトンウッズ体制が1970年代に崩壊したように、制度崩壊を来すだろう。問題は、これが通貨同盟であるという事実が崩壊を遅らせる以上のことをするかどうか、だ。 オランド氏の双肩にかかる最後のチャンス 必要な変革をもたらす最後のチャンスは、新たにフランス大統領に選出されたフランソワ・オランド氏の双肩にかかっている。オランド氏は、自分の任務は欧州に「成長と繁栄の側面」を与えることだと話している。では、同氏はこの称賛すべき目的を果たせるのだろうか? 財政引き締めは、経済が縮小して

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    tJacks 2012/05/10
  • 外交・政治力を試されるオランド新大統領 重要日程が目白押し、ハネムーンなしで試練に直面

    (2012年5月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) フランソワ・オランド氏にとって、エリゼ宮の奪取はとてつもなく大きい個人的な勝利だ。社会党にとっては、大統領を輩出していなかった17年間を経てのエリゼ宮奪還となる。そしてフランスにとっては、折しも同国と欧州が深刻な経済問題を抱えている時に起きる重大な政変だ。 ニコラ・サルコジ氏を下しての勝利を満喫する時間はほとんどない。オランド氏自身、大統領就任からのハネムーン期間を楽しむことはないだろうと警告していた。 最初の試練は金融市場の反応 目先の試練は金融市場が示す反応だ。 何しろ市場は、中道右派の現職大統領でドイツのアンゲラ・メルケル首相とともに欧州連合(EU)の財政規律条約を立案したサルコジ氏から、「メルコジ」の緊縮主義を公然と批判してきた中道左派の新大統領への権力移譲を警戒していた。 選挙期間中に自身の「真の敵」は金融界だと断言したオラ

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    tJacks 2012/05/08
  • 日本の為替政策:円安にしろ!

    (英エコノミスト誌 2012年5月5日号) 日の政策立案者は、円安誘導に向けて巧妙なアプローチを試している。 この10年というもの、ほぼ一貫して翌日物貸出金利がゼロの状態が続く日では、国民はとうの昔に金利を気にしなくなっている。代わりに関心の的になっているのが円相場だ。 買い物客はドルに対する今の円高を謳歌しているかもしれないが、マスコミの報道や金融市場、産業界では、円高は執拗な悩みの種となっている。 日産自動車・ルノー連合のCEO(最高経営責任者)であるカルロス・ゴーン氏は公然と、今の円高は日車を海外で売る力を損ねる「体重1000ポンドのゴリラ」だと非難している。円の強さは次第に政治問題にもなりつつある。 密かに為替市場を狙った対策 最近、日銀と財務省はともに、アナリストの見るところ、密かに為替市場に狙いを定めた対策を講じた。日銀は4月27日、資産購入プログラムの規模を5兆円拡大し

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    tJacks 2012/05/08
  • 欧州の統合強化を脅かすユーロ圏の選挙 各地で相次ぐ有権者の反乱

    (2012年5月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 今から2年近く前、ちょうどユーロ圏の債務危機が激化していた頃、欧州の政府高官の一団が地域の優れた識者たちと秘密裏に会合を開き、統合強化を通じて危機を解決する方法について話し合った。その解決策は、通貨同盟に付随する財政同盟に向かって動くことだった。 ハンガリー系米国人の投資家で慈善家のジョージ・ソロス氏は、話に耳を傾け、警告とともに議論を締めくくった。計画は理にかなっているが、指導者は迅速に行動しなければならない。経済統合を巡る政治は難しくなる一方で、簡単にはならないからだ――。「この先の政治状況は、今より好ましくなくなるだろう」とソロス氏は話していた。 ジョージ・ソロスの予言が現実に ソロス氏が警告していた反発が、今、現実になっているのかもしれない。 フランス、ギリシャ、アイルランド、オランダでは、この先、欧州の常識を大きく揺るがす選

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    tJacks 2012/05/07
  • 社説:正しい緊縮政策のあり方

    (2012年5月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 欧州全土で推進されている緊縮財政政策が、これまでになく強い批判にさらされている。景気が二番底に陥ったことで、繁栄を取り戻すには国の財布のひもを締めるのが一番だという有権者の確信が揺らぎつつある。 またフランスの選挙やほかの国々での政治情勢の変化を受けて、政策立案者の間では、何が何でも財政赤字を圧縮すべしという意見が弱まりつつある。このような時こそ、どこでどのような種類の緊縮財政政策が必要なのかを明確にしなければならない。 すべての国に適した緊縮財政政策は存在しない 世界各国の経済には多種多様な力が加わっており、経済政策はそれに合わせて微調整しなければならない。財政赤字をとにかく圧縮するという単純なアプローチでは成功しないだろうし、すべての国に適した緊縮財政政策が存在するわけでもない。 紙(フィナンシャル・タイムズ)が英国政府の財政戦

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    tJacks 2012/05/03
  • ユーロ危機、緊縮財政に代わる策なし 公共支出では根本的な問題を解決できない

    (2012年5月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) スペインでは失業率が25%に近づいている。ギリシャでは自殺率が上昇しており、英国の景気は二番底に入った。こうした痛みから上がる悲鳴は大きくなる一方だ。欧州の財政緊縮策は危険だ、誰かがこの愚行に歯止めをかけなければならない――。 そこに登場するのが、来るフランス大統領選挙の命候補であるフランソワ・オランド氏だ。同氏は、緊縮財政を主張するドイツの有力者たちに立ち向かうという公約を掲げて選挙戦を展開している。 「緊縮をやめて成長促進を」の大合唱 オランド氏の主張は、欧州のみならず米国でも共感を呼んでいる。米国ではラリー・サマーズ氏からポール・クルーグマン氏に至るまで、経済学の大御所たちが口をそろえ、欧州に財政緊縮策をやめるよう呼びかけている。 クルーグマン氏は例の調子でさらりと、この緊縮策を「狂気の沙汰」だと形容している。 オランド氏は、

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    tJacks 2012/05/02
  • ユーロ圏債務危機、再び強まる政治リスク 中核国への伝染で危機が一段と悪化する恐れ

    (2012年4月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 債務危機が再びユーロ圏中核国に伝染した。これまで周縁国から伝染する恐れはあまりないと見られていたフランスとオランダで政治情勢が不透明になり、ユーロ圏危機がさらに悪化するかもしれないとの懸念が強まっているのだ。 オランダとフランスの借り入れコスト(国債利回り)とドイツのそれとの差が前回急拡大したのは昨年11月、ユーロが解体されるかもしれないとの不安が浮上した時のことだった。ドイツを除けばこの影響を免れた国はほとんどなく、市場は第4四半期に大きく落ち込み、欧州中央銀行(ECB)の介入により2012年の年初になってようやく救われることとなった。 フランス、オランダ国債のスプレッドが急拡大 そのECBによる低利融資の効果は薄れてきており、オランダ国債10年物とドイツ国債10年物のスプレッド(利回り格差)は23日、79ベーシスポイント(bp、

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    tJacks 2012/04/25
  • 欧州に戦いを挑むフランス 大統領選でどちらが勝っても新たな火種に

    (2012年4月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) フランスを巡る戦いは、あと2週間ほど続く。その後、欧州を巡る戦いが始まる。フランス大統領選で戦う現職のニコラ・サルコジ氏と挑戦者のフランソワ・オランド氏がともに、欧州連合(EU)の方向性を一変させて「フランスの例外」を守ると約束しているからだ。 フランスのパートナーである欧州諸国の大半は両候補の発言を、5月6日の決選投票に向けた抜け目ないスローガンとして一蹴しようとする。ブリュッセルのEU部では、フランスは「分別を示す」と考えられている。だが、それは甘い考えだ。 グローバル化、緊縮財政、国家的アイデンティティーに対する不安感 22日の第1回投票では、極右と極左の候補が投票数の約3分の1を獲得した。今回の選挙は既に、グローバル化や緊縮財政、国家的アイデンティティーに対するフランス国民の不安感を露にした。 候補者全員が迎合したこうした

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    tJacks 2012/04/25
  • 英国の債務問題に対するトルストイ流の助言

    (2012年4月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 英国の債務問題は誇張されている――。これは、イングランド銀行(中央銀行)金融政策委員会の委員を務めるベン・ブロードベント氏が3月に「デレバレッジング(負債圧縮)」に関する挑発的な講演で訴えた主張だ。 この主張には説得力があるだろうか? また、これは何を意味しているのか? 1930年代より長く厳しい恐慌に苦しむ英国 金融危機が経済に長い影を落とすことについては、今や疑いを持つ人はいない。景気後退は深刻で、回復は弱々しいものになる。 これはワシントンに拠を構えるピーターソン国際経済研究所のカーメン・ラインハート氏とハーバード大学のケネス・ロゴフ教授の独創性に富んだ研究から得るべき教訓だ。 英国は身をもってこれを学んだ。何しろ同国は今、1930年代に経験したものよりも長期に及び、高くつく恐慌(生産高が前回のピークを下回ったまま推移する期

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    tJacks 2012/04/23
  • 恐ろしいほど「日本化」してきたユーロ圏

    (2012年4月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ここ数週間、市場がめちゃくちゃな動きを見せる中で、ある驚くべき出来事がほとんど注目されないまま起きていた。2年物国債の利回りに見るドイツの短期金利が先週、二十数年ぶりに日のそれを下回ったのだ。 これは一部の人がしばらく前から薄々感じていたことを裏づけた。ユーロ圏が日化しつつある、ということだ。 過去四半世紀にわたる日の経験に続くことへの不安は、2007年に金融危機が勃発して以来ずっと悩みの種となってきた。理由は簡単だ。それが資産配分にとてつもなく大きな影響を及ぼすからだ。 ドイツの国債利回りに見る日化の兆し 既にその兆しは見えている。ドイツの短期金利ばかりではない。指標となる10年物ドイツ国債の利回りは4月18日、1.63%に低下し、史上最低を更新した。 ほぼすべての人が、ドイツが何らかの形でソブリン債務危機の費用負担を引き

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    tJacks 2012/04/20
  • 「コンセンサスの国」ニッポンの大激論

    (2012年4月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 数日前、小泉という名の人物が日の国会で、ある法案に反対した。問題の男性は、近年では最もカリスマ性があり、最も政権が長続きした首相、小泉純一郎氏ではなかった。正しくは、31歳の息子の小泉進次郎氏で、父親の最重要政策である郵政民営化を骨抜きにする法案に反対票を投じたのだ。 小泉純一郎氏の首相在任中の最大の目玉だった郵政民営化は、世界最大の金融機関の1つを政府から自由にすることが狙いだった。 小泉人気の不思議 民間部門なら約350兆円の郵貯・簡保資金のもっといい活用方法を見つけてくれると期待して、その資金を国の支配から解放する、というのが郵政民営化の考え方だった。 この資金のかなりの部分は国債に還流しており、それが慢性的な赤字を埋める、あるいは歳出を増やすことを容易にしている。こうした資金の点滴注入を国の「腕」からはぎ取ることが狙いだっ

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    tJacks 2012/04/20