【第6回】はこちらをご覧ください。 突然、異変が起きた その症状に僕が初めて気がついたのは、中学の生活にようやく慣れた、中学1年生の6月のことだった。 すでに季節は梅雨に入っていて、連日、雨が降り続いていた。ところが、その日は朝から珍しく快晴。僕は「今日は久しぶりに外で体を動かせるぞ」と、浮き立つ気持ちで登校した。1時間目の授業は体育だった。 朝礼が終わると、生徒たちは皆、体操服に着替えていっせいに外に飛び出し、校庭の真ん中で円座になって集まった。そこへ体育の教師がやって来て、「今日の授業ではサッカーをやるぞ」と言った。 僕も含め、運動好きの生徒たちは「やったぁ!」と歓声を上げ、皆、思い思いに近くのクラスメートと話し始めた。教師はそんな騒がしい雰囲気に構わず、淡々とチーム分けを発表していった。 「俺、誰と一緒のチームになるのかな?」 そう思って、何気なく教師に顔を向けた瞬間、僕の「耳」に異