日本におけるフル3DCGアニメーション制作への理解と振興を目指す本連載。前回はデジタルハリウッド大学大学院 学長の杉山知之氏に話を伺った。今回はデジタルハリウッドが設立当初より運営する社会人向け専門スクールでWebサイト制作を学び、現在は3DCGを用いた映像制作を勉強中の江川達也氏にご登場いただく。漫画家、実写映画監督、タレント、歴史研究家などの幅広い活動を展開してきた江川氏が、なぜ“CG作家“を目指そうと決意したのか? 長年にわたり第一線で表現活動を続けてきた江川氏が感じる3DCGの可能性について、幅広く語ってもらった。 【聞き手:野口光一(東映アニメーション)】 Supported by EnhancedEndorphin 集団ではなく、1人の作家が新しいものを生み出す 東映アニメーション/野口光一(以下、野口):前回の杉山知之先生との対談の折、江川さんがスクールの学生として3DCGを
「自分は『プロジェクト・マネージャー』というほどの者ではなく、『プロジェクト・チームのリーダー』といった役柄です。」——顧客とのチーム・ビルディングの席上で、相手方のトップの米国人はそう語った。聞いていたTさんは、単に謙遜しているのだと思ったそうである。時は'90年代。今ではベテラン・エンジニアのTさんが、やっと担当者レベルを卒業し、小さな1セクションのサブチーフ職に片足をかけた頃のことだ。バブル崩壊で国内市場は低迷し、Tさんの会社がようやく久しぶりに欧米企業から受注できた海外向けビッグ・プロジェクトだったという。Tさん自身も高揚する気持ちをおさえつつ、顧客とのチーム・ビルディングに参加していた。 その顧客はチーム作りのセッションを大切にしていた。彼らは発注者として、かなりの数のチーム・メンバーを、設計期間中にTさんの会社に駐在員として送り込んでくる。無論、Tさんの側も精鋭を結集して、受注
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