大阪市の淀川河口近くで死んでいるのが確認されたマッコウクジラについて、大阪港湾局は17日、紀伊水道沖に運び、重りを付けて沈める方針を明らかにした。破裂や爆発を防ぐため、中にたまったガスを抜いた上で、船で運搬する。処理作業は18日に始める予定。 港湾局によると、死骸は淀川の岸に漂着している。18日以降、作業船に載せてガスを抜き、専門家による学術調査を実施。和歌山、徳島両県の間の海域を南下し、19日に沈める予定だ。 骨格標本として博物館に提供するため、陸に揚げていったん埋設する選択肢もあったが、大阪市の松井一郎市長は引き取りの申し出がなかったと記者団に説明した上で「海から来たクジラ君ですから、死んだら海に返してあげたい」と述べた。 市によると、クジラは体長推定15メートルの雄とみられ、9日朝に淀川河口に迷い込んでいるのが見つかった。徐々に衰弱し、13日に専門家の調査で死んでいることを確認した。