ブックマーク / nmi.jp (18)

  • 高速化の観点から new Array(100) を使わない方が良い理由

    別件で V8 の JIT コードの逆アセンブルを眺めている時に気づいたのですが、JavaScriptで new Array(100) という形で配列を作るのは、高速化の観点から言うと V8 においては避けるべき書き方です。 高速化を求める方は、 new Array() や [] で作成して Array#push で追加していくのが良いでしょう。この記事では、その理由を説明します。 今回の記事は、以下の V8 のブログ記事を参考にしております。 https://v8.dev/blog/elements-kinds 「詰まった配列(Packed Array)」と「穴あき配列(Holey Array)」 v8 は内部的に、その配列がどういうタイプの配列であるかの状態を記録しており、その情報を利用して最適化を適用します。状態は内部的には21個あるのですが、今回話題にするのは、その中でも「詰まってい

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    t_f_m 2024/06/11
    2019年6月の記事
  • ARM に存在する JavaScript 専用命令「FJCVTZS」を追う(ついでに V8 をビルドする)

    前回の記事では、JavaScript の実行エンジン V8 の JIT 出力コードを読んでみました。記事は M1 Mac 上で動かした結果でしたので、ARM アーキテクチャのアセンブラを読むことになりました。 さてそんな ARM アーキテクチャですが、最近の ARM には FJCVTZS という JavaScript 専用の機械語命令があるのをご存知でしょうか?CPU に、特定の言語(それもコンパイラを持たない JavaScript)専用の命令があると知ったとき、私は大いに驚きました(過去にも Jazelle みたいなものはありましたが) 今回は、この FJCVTZS 命令について、実際にどれだけ効果があるのか、V8 をビルドしながら調べてみましょう。 FJCVTZS 命令とは? FJCVTZS 命令は、Arm v8.3 から導入された JSCVT 命令の一つで、JavaScript の言

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    t_f_m 2024/06/11
    "数が大きい時にしか発覚しない面倒なバグになることがあるので、速度がクリティカルではない JavaScript を書かれる際には Math.trunc で整数化するようにしましょう。(詳細は以前このブログで書きました)"
  • JavaScript 実行エンジン V8 の JIT 出力コードを読んでみよう

    ChromeJavaScript はとても高速なことでも有名ですが、その実行エンジンは V8 と呼ばれます。V8 自体は独立したモジュールであり、Node.js 等にも使われております。 V8 が JavaScript を高速に実行する技術の一つが JIT (Just In Time) コンパイルです(一般的に JIT と呼ばれます)。これは、そのまま実行すると遅い JavaScript を実行中にリアルタイムに直接マシンコードに変換し(これが Just In Time と呼ばれる所以です)、途中からそのコードに入れ替えて実行することで高速化を達成しています。特に何度も実行される関数で効力を発揮します。 JIT という名前は聞いたことがあろうとも、実際に JIT がどのようなコードを実行しているのかを確認する機会は滅多にないでしょう。この記事では、実際に V8 の JIT の出力を確

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    t_f_m 2024/06/03
  • JavaScript で CPU が Intel かどうかを判定する(ついでに JIT を検知する)

    先日、次のような Tweet を見かけました TIL I discovered that TensorFlow.js uses an interesting trick to sniff your CPU architecture in WebAssembly. pic.twitter.com/LVyywIM48I — Robert Knight (@robknight_) January 4, 2023 面白かったので、なぜこうなるのかの解説と、ついでにこのテクニックを使った JIT 検知方法などについて紹介します。 JavaScript における低レイヤーの扱い JavaScript においては、挙動が比較的しっかりと仕様に定められているために、環境による振る舞いの違いはあまり発生しません。しかし、低レイヤーに降りるほど振る舞いは実装依存になり、環境差が発生する余地が出てきます。 一番

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    t_f_m 2023/01/11
  • setTimeout を完璧に理解する

    setTimeout は、指定された時間以降に指定されたコードを実行する JavaScriptAPI です。ブラウザでも Node.js でも広く使われているのですが、実装はまちまちで、色々と特殊な条件も多く、挙動を完璧に理解している人は少ないと思います。この記事では、そんな setTimeout を可能な限り深堀りしてみようと思います。 先に書いておきますが、ものすごくニッチで細かい話ばかり並びます。突然私が、ただ純粋に setTimeout について調べたくなったので、その結果をまとめただけのものです。普通に開発している人には必要のない情報が多くなるでしょう。この記事は基礎から setTimeout を学ぼう、という方には全然向かないと思います。 また、JavaScript のイベントループについてある程度理解していることを前提とします。その詳しい理解には、@PADAone さん

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    t_f_m 2022/11/22
  • Chrome の console.log でハマらないために

    JavaScript を書いたことがある人ならば一度は使うであろう console.log ですが、この関数は思ったよりも厄介な性質を持っています。その性質を知らずに console.log を使うと、デバッグ時に大ハマリしてしまうことがあります。この記事では console.log の落とし穴についてお話します。 今回は Chrome に特化して解説しますが、Firefox や Safari でも同じ落とし穴があります。 console.log とは まずはさらっと基をおさらいしましょう。 大前提なのですが、console.logJavaScript の言語仕様(ECMAScript)で定義されていません。ブラウザ向けには whatwg の仕様がありますが、あくまでもそれはブラウザ向けの仕様であり、Node.js を含むほぼ全ての JavaScript 環境で使えるのは cons

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    t_f_m 2022/11/14
  • 生WebGL入門:初音ミクの美麗3Dモデルを表示する(前編)

    Special Thanks to @hagat and @teehah for reviewing my articles! 近年、WebGLに流行の兆しが出てきました。WebGLとは、ブラウザに何らプラグインをインストールすることなく、JavaScriptよりGPUを使用した3Dの表示を可能とする技術です。プラグインのインストールが必要ないとはいえ今までは対応ブラウザが少なくあまり実用的ではありませんでしたが、先日のiOS8で正式に対応されたことでモバイルブラウザにおいて対応率が跳ね上がり、スマートフォンにおいてブラウザベースで3Dのゲーム等を作れる可能性が急激に高まりました。 今回WebGL Advent Calendarの一環として、生WebGLで3Dのオブジェクトを表示するところまで挑戦してみます。WebGLにはthree.jsを始めとして有用なライブラリがたくさんあり、大抵の場

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    t_f_m 2022/11/09
    2014年12月の記事
  • Wordle のソルバー(Hard Mode 対応)を作りました

    とても有名な Wordle というゲームがあります。隠された 5 文字の英単語をヒントを手がかりに見つけるゲームなのですが、最大 6 回までしか入力が許されていないため、4 回目を超えたあたりから緊張感につつまれるよく出来たゲームです。 以前 YouTube で「Wordle ソルバーを30分弱で作ってみた【JavaScript実況プログラミング】」という動画を発表し、そこの冒頭でゲームの解説をしておりますので、ご存知のない方はご覧になって頂ければと思います。 さて、上記の動画で簡単なソルバーを作ったのですが、それは単純なアルゴリズムで生成されたソルバーであり、Hard モードを 6 回以内に確実に解くことは出来ません。そこで上記の録画の後、必ず 6 回以内で解けるソルバーを作成しました。この記事では、ハードモード対応の 6 回以内で確実に解けるソルバーをどのように作ったかについてご紹介し

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    t_f_m 2022/10/29
  • JavaScript の undefined と null を完全に理解する

    JavaScript で頻出する undefined と null について語ります。 言語仕様上の違い JavaScript (ECMAScript) において、仕様上 undefined と null は当然ながら明確に区別されています。いくつか言語仕様上の扱いについて挙げてみます。 比較 厳密な比較演算子 === において undefined と null は区別されます。ゆるい比較演算子 == においては両者は区別されません(仕様 7.2.14)。 console.log(undefined === null); // false console.log(undefined == null); // true

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    t_f_m 2022/10/17
  • JavaScript のクロージャーと for 文の let 初期化の例外

    先日、次のような JavaScript クイズを Twitter で出しました。 // JavaScript quiz: 出力は? const a = []; { for(let i = 0; i < 10; i++) { a[i] = () => console.log(i); } } a[3](); { let i; for(i = 0; i < 10; i++) { a[i] = () => console.log(i); } } a[3](); { for(let i = 0; i < 10;) { a[i] = () => console.log(i); i++; } } a[3](); — Takuo Kihira (@tkihira) August 15, 2022 答えは 3, 10, 4 なのですが、for 文の let 初期化専用の例外処理がない場合は 10, 10,

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    t_f_m 2022/08/16
  • document.all の例外仕様を知っていますか

    昨日、ツイッターで次のような JavaScript クイズを出しました。 久しぶりの JavaScript クイズ! function hello(x) { if(typeof x === 'undefined') { alert(x.f()); } } この hello 関数で "Hello, World!" のアラートを表示させることが出来るか? — Takuo Kihira (@tkihira) July 31, 2022 このブログ記事では、この問題について解説します。 解答 答えは「出来る」です。出題者の意図としては document.all を想定しておりました。 document.all は、ブラウザに存在する、非常に特殊なオブジェクトです。 document.all 自体は object 型である。console.log(document.all) とすると内容が確認出来る

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    t_f_m 2022/08/01
  • 正規表現の脆弱性 (ReDoS) を JavaScript で学ぶ

    先日、このようなツイートを書いたところ、かなりの反響がありました。 JavaScript の正規表現の脆弱性の例でいうと、例えば /\s+$/ は脆弱性があると言える console.time(); /\s+$/.test(" ".repeat(65536) + "a"); console.timeEnd(); 結構時間がかかるのがわかる。でも /\s+$/ を見て「これは危険だな」と理解出来る人はそんなにいない。JavaScript に限らないけれど。 — Takuo Kihira (@tkihira) February 17, 2022 これは一般に ReDoS (Regular expression Denial of Service) と呼ばれる脆弱性です。正確に理解するのが難しい脆弱性なので、少し解説してみたいと思います。 結論 長い記事になるので、最初に「とりあえずこれだけ知っ

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    t_f_m 2022/02/19
  • JavaScript で parseInt / parseFloat を使わない方が良い理由

    となるのが原因です。parseInt というのは、文字列を解析して整数値(int)を返すグローバル関数であり、引数をまず文字列に変換する仕様となっております。その段階で 0.0000005 が "5e-7" という文字列に変換されてしまい、その文字列の先頭の 5 だけが数字として解析されてしまったため、結果として parseInt(0.0000005) === 5 となりました。 なぜ String(0.000005) === "0.000005" に、String(0.0000005) === "5e-7" になるのかについては、この記事の最後で余談として説明します。 整数化には Math.trunc を使おう このように、parseInt は文字列を引数にすることを前提にしているため、速度の面でも可読性の面でも「小数値を整数値に変換したい」という場合に使うのは望ましくありません。最も望

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    t_f_m 2022/02/03
  • JavaScript クイズ解説: NaN === NaN の結果はどうなる?

    先日、このようなツイートを書きました。 久しぶりの JavaScript クイズ。 JavaScript において NaN === NaN の結果は次のうちどれになるでしょうか? — Takuo Kihira (@tkihira) September 7, 2021 答えは 4 の「状況によって上記以外もありうる」です。でも、2 や 3 を選んだ方も、もはや正解だといって差し支えないと思います。 解説が長くなったので、ブログ記事にまとめました。 そもそも NaN とは NaN は “Not a Number” を意味する数値です。数値なのに「Not a Number」というのは違和感があるかもしれませんが、数値表現することが出来ない状態を保持するために便宜的に用意された数値、というようなものです。 NaN は、浮動小数点演算において数値では表現出来ない計算をしようとすると登場します。例えば

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    t_f_m 2021/09/10
  • JavaScriptの+演算子の謎挙動に迫る » nmi.jp

    console.log(+[]); // 0 console.log(+[3]); // 3 console.log(+[null]); // 0 console.log(+[undefined]); // 0 console.log(+["3"]); // 3 console.log(+[1,2]); // NaN console.log(+[true]); // NaN console.log(+[false]); // NaN なぜこのような処理になるのか、JavaScriptの仕様書(ECMA Script Specification 5th)から説明してみましょう。 まず最初、単項+演算子(Unary + Operator)を評価する際に、ToNumberを呼び出すのは前述したとおりです。仕様書の(11.4.6)に書かれています。ではToNumberとはどのような処理でしょうか。

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    t_f_m 2020/12/24
  • 10 年前に JavaScript で Flash Player を開発し買収された話

    この記事は、JavaScript で Flash Player の実現を頑張った(もしくは現在進行系で頑張っている)人たちの集う Flash Advent Calendar 2020 に参加しております。 私は過去に自分が設立した会社で ExGame という HTML5 実装の Flash Player(正確には Flash Runtime Engine)を開発し、その会社ごと DeNA に買収(M&A)されました。あまり出来ない体験であるのは間違いないので、Flash が終了を迎える今、改めて振り返ってみようと思います。 Flash Player の開発 今から 10 年前の 2010 年、ちょうど iPhone が普及し始めてきてガラケーのシェアが 8 割から 6 割くらいに落ちようとしていた時期に、私は Flash Player を JavaScript で実装していました。以前この

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    t_f_m 2020/12/24
  • JavaScript で遅延評価を導入して起動を高速化した話

    この記事は、JavaScript で Flash Player の実現を頑張った(もしくは現在進行系で頑張っている)人たちの集う Flash Advent Calendar 2020 に参加しております。 Flash Player を JavaScript で実装していた際に、現場から「起動の高速化」という難しい要求をもらった際、「遅延評価」を導入したところ大変効果がありました。今回、その遅延評価について簡単なご紹介をしたいと思います。 Flash Player 起動までのステップ 当時 Flash Player を JavaScript で提供していた際、当時のスマートフォン端末においてロード完了から最初の画面が出るまで大体 150ms くらいかかっていました。普通の Web ページであれば 150ms はロード時間の中に吸収され許容範囲になる可能性が高いのですが、当時 Flash Pl

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    t_f_m 2020/12/23
  • 配列のランダマイズ、出来ますか?(後編)

    前回のエントリ、配列のランダマイズ、出来ますか?(前編)の続きです。 前回のエントリの最後では、次のようなコードを提示し、どこが問題なのかの疑問を提起しました。 // 配列の初期化 var a = []; for(var i = 0; i < 1000; i++) { a[i] = i; } function swap(s, d) { var t = a[s]; a[s] = a[d]; a[d] = t; } // ランダマイズ、その2 for(var i = 0; i < a.length; i++) { swap(i, (Math.random() * a.length) | 0); } ランダマイズのコードの厄介なところは、1回2回実行したところで問題がわからない点で、このプログラムもぱっと見た感じではきちんとランダマイズされているように見えます。ではどうやって問題があるかを判断す

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    t_f_m 2014/02/12
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