「少子高齢化による人口減少」「都市圏への人口流入と偏り」「貧富の差の拡大」……。山積する社会問題は、行政サービスだけは解決できない。こうした現状に対し、テクノロジーを活用して課題解決する取り組み/概念が「シビックテック」だ。本稿では「シビックテックとは何か」を解説するとともに、その取り組みを紹介する。 社会の“困った”をITで解決 「シビックテック」という言葉を聞いたことがある人は少ないだろう。シビックテックとは「市民の課題を解決する/生活をより便利にするために、ITを中心としたテクノロジーを活用するアクション全般を指すキーワード」である。 シビックテックを代表する存在となった非営利組織Code for Americaが米国で活動を開始したのは2009年。日本国内では、2013年5月にCode for Kanazawaが石川県金沢市で立ち上がったのを最初に、さまざまな活動が広がっている。