警察官が職務質問中、トイレに行きたがる男性に立ちふさがって覚醒剤の所持品検査を続けたのは違法だとして、さいたま地裁(結城剛行裁判官)は27日、覚醒剤取締法違反(所持、使用)の罪に問われたこの男性被告(45)に無罪(求刑懲役4年)を言い渡した。 判決などによると、男性は昨年11月、さいたま市内の駐車場で2人の警官から職務質問を受けた際「トイレに行きたい。漏れる」と連呼。しかし警官は証拠隠滅を恐れて認めず、男性が公衆の面前で排便した後も所持品検査を続行。覚醒剤を提出させた。 判決はこの職務質問を「被告を心身ともに追い込む行為。許される限度を超え違法」として、提出された覚醒剤を証拠から排除し無罪とした。(笠原真)